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ブラジルの強豪コリンチャンス下部組織で指導経験を持つ平安山氏が語る ブラジルの育成世代

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コリンチャンスで指導する平安山良太氏

ブラジルの強豪クラブコリンチャンスやアヴァイなどの下部組織での指導経験を持つ平安山良太氏。そんな平安山氏にブラジルの育成世代の環境や、指導方法についてを聞いた。

コリンチャンスやアヴァイで指導して、日本との大きな違いはありましたか?
平安山氏:まず日本と大きく違うのは、ブラジルでは年上だからえらいということはありません。 子どもたちに指導していてもしっかりと自分たちの意見もぶつけてきますし、こっちがえらそうな態度で考えを押し付けようとすると、「じゃあお前のプレーを見せろ」となりますね。
12歳以下の選手たちはとにかく褒めて伸ばすことが多いですね。日本では子どもたちにけっこうきつく指導していますよね。怒鳴ると叱るの区別がつかない指導者が日本では多いと思います。

 

やはり幼少期から選手の個の力を伸ばすトレーニングが多い?
平安山氏:フォーメーションやそういった類のものは、14歳ぐらいから本格的に教えていくチームが 多いですね。それまではチャレンジ&カヴァー指導ぐらいですね。それよりも個々の力を伸ばしてあげています。
日本ではほとんどの選手が同じような教育を受けていて、ボールを持ったら周りを見てパスを選択するようになってしまいます。でもこっちでは選手の個の能力をしっかり見てあげているから、ボールを持ったらまずはドリブルを選択する選手、ボールを持ったらシュートコースを探す選手と、様々な選択肢を持った選手がたくさんいます。

 

日本の選手は国際経験が少ないと言われますが、平安山氏はどう見ている?
平安山氏:コリンチャンスの下部組織では、14歳ぐらいまではそこまで勝利にこだわっていません。それよりも自分の特徴を見出したり、個の自信をつけることが目標になっています。本当に勝ちにこだわりだすのは15歳から。この世代からは絶対に勝たなければいけないというプレッシャーを背負いながら戦い始めます。また国際経験でいうと、コリンチャンスの下部組織は月に1度のペースで他国の大会に参加したりします。それは選手にとって大きいかもしれません。
 

 

そういったことがプレッシャーに強い選手や、自分のプレーに自信を持っている選手を多く輩出する要因につながっている?
平安山氏:13歳でチームと契約する選手もいますし、やっぱり日本とは感じるプレッシャーが違うかもしれません。ブラジルには、ファベーラというスラム街、貧民街があります。そこの選手たちは家族の生活を背負って、コリンチャンスのようなビッグクラブのテストを受けに来ます。また今強化部もファベーラから良い選手を探そうという風潮があります。仮説ではありますがファベーラの選手たちは、危険と隣り合わせに生活している人々が多いということもあり、視野が広いとも言われています。

 

最後にブラジルで注目されている育成年代の選手はいますか?
平安山氏;コリンチャンスのU-17所属の日系人ファブリシオ・オオヤですね。フットサル、ビーチサッカーの日本代表にも選出されている比嘉リカルド選手の従兄弟です。すでにトップチームの練習にも参加経験を持っていますし、9月にはトップチームと契約しています。もう一つ下のカテゴリーでは、ブラジル全国大会でMVPに選出されています。

平安山良太氏 平安山良太氏

【次回】ワールドカップ以降のブラジル国内でのサッカー熱

 「沖縄にもっとサッカーを普及させたい」ブラジルのクラブで経験を積む平安山良太氏

 

〜平安山良太プロフィール〜
小学生よりサッカーを始めるが、ケガにより早期挫折。高校時代より指導者の道へ。日本で街クラブ、部活、Jクラブで幼稚園~大学生まで幅広く指導者として関わり多くを学んだ後、海外へ。東南アジアのトライアジアプノンペンFC(現カンボジアンタイガーFC)やラオス代表で研修の後、ブラジルへ。
ブラジル一部リーグのアトレチコ・パラナエンセ→SCコリンチャンス→Avai FCの下部組織にてアシスタントコーチを歴任。ライター、代理人業も広く行っている。

 

(取材・文:澤田悠樹)

 

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