(ASEAN FOOTBALL LINK) シンガポール・Sリーグを戦う日系クラブ、アルビレックス新潟シンガポール。現在、同クラブの監督を務めるのが奥山達之だ。アルビレックス新潟の育成年代やレディースチームの監督を歴任したのち、2013年シーズンからシンガポールに渡り、昨シーズンから監督を務める。海外リーグに日本人だけのチームが挑むという、特殊な環境下で戦う指揮官に話を聞いた。
-昨シーズンからアルビレックス新潟シンガポールの監督をされていますが、どういった経緯で就任されたのですか?
2012年まではアルビレックス新潟レディースの監督をさせていただいていて、2013年にシンガポールに来ました。最初のシーズンは杉山弘一前監督(現・柏レイソルコーチ)のもとでコーチをさせていただいていました。監督としては今年が2年目になります。
-最初、シンガポールリーグについてはどんな印象を持ちましたか?
はじめに感じたのは、スタミナがないということです。リーグ全体に、90分通してアグレッシブにサッカーを続けられるチームがないという印象でした。暑さの影響も間違いなくあるとは思いますが、うちは90分できていますから。他のチームは、できていない理由が何かあるのだろうなと感じます。局面での激しさはあるんですが、全体としてはダラダラとしていてプレーイングタイム(ゲームの中で実際にプレーしている時間)が短いのも気になりました。シンガポールに限らず、東南アジアのチームのプレーイングタイムは60分と言われています。Jリーグは75分くらいですから、短すぎますよね。
-その他に、日本とのギャップを感じる部分はありますか?
タイなどもまだそういう面があると思いますが、リーグの運営面はもう少しクオリティを上げなければいけないと感じます。文化的なこともあるので全てを否定するわけではないのですが、タイムスケジュールやグラウンドの状況などゲームを行うためのいろいろな準備の面で、正直、目につくところが多々あります。タイムスケジュールもあってないようなもので、日程変更ももちろんありますから。せっかく暖かくてこんなにいい環境があるわけですし、もうちょっと効率よくやればもっと選手も育つと思います。すごくいい素材の選手もたくさんいますから。
-Sリーグのローカル選手には、才能豊かな選手も多いですか?
身体能力の高い選手もいますし、レベルが低いとは思いません。
-シンガポール人選手は、どんな特徴があるでしょうか。
体の大きさも近いですし、東南アジアの国はどこも似ているんじゃないでしょうか。シンガポール人選手に限った特徴は特にありませんが、球際の激しさは感じます。行くところは行くし、「やめる」という判断はあまりないというか。行く時はとにかくガツンと行く、というのは感じます。