2008年にFリーグのシュライカー大阪に加入した永井義文。セレッソ大阪の下部組織からびわこ成蹊スポーツ大学に進学、その後シュライカー大阪のセレクションに参加した。トップチームのセレクションでは良い返事を獲得することはできなかったが、当時シュライカー大阪サテライトの監督を務めていた、ドゥダ ドス サントス氏(現:FC大阪コーチ)の目に止まり、サテライト入りを果たす。ドゥダ氏の下、永井はメキメキと力をつけていき、次の年にはトップチームに昇格。さらに2010年には日本代表に初選出されるなど輝かしい成績を残している。また昨年はイタリア・セリエA2のフットサルイソラでプレーし14試合に出場し10得点を記録している。現在はシュライカー大阪に戻り、PIVOとしてチームを引っ張る。そんな永井が吉本興業とマネジメント契約を結んだ。今回吉本興業とマネジメント契約を結んだ理由や、今後の活動予定や、目標について話を聞いた。
−セリエA2でプレーしてみて、日本との違いをどのように肌で感じたのか?
永井義文(以下、永井):例えるなら日本はビニールハウス。温室といいますか、かなり環境が良いです。ピッチもしっかりしていて、冷暖房も効いていて、審判もしっかりしている。選手もフェアプレーを守っている。イタリアはフィジカルコンタクトは凄いですし、削るプレーもあります。あとはホームとアウェイで全然環境が変わります。
−ホームとアウェイで環境が変わる?
永井:アウェイに行くと、サポーターから唾をかけられることもあります。それは選手だけではなく、審判も同じです。ちょっとでもホームチームに不利なジャッジをしてしまうと、外でサポーターが待ち構えていて、今にも殴りかかりそうな雰囲気を出しています。だから毎試合拳銃を持った警察官が、スタジアムの外と中に20人から30人ぐらい配備されていました。そういう環境の中でプレーすると、審判もホーム贔屓になってしまいます。サポーターに車をボコボコにされた審判もいますし、やっぱりそんな中で試合をすると試合結果も大きく変わりますね。
−その中でプレーしたことで培われたこともある?
永井:なにくそと思いながらプレーをしたり、負けん気はかなり強くなりましたね。ミスをしたときに、サポーターは日本語がわからないので、イタリア語で罵声を浴びせてくるのですが、僕は意味がわからないので、へこたれることはなかったです。でも途中からそれがばれて、「日本語で罵声を浴びせるときに何て言うの?」とサポーターに聞かれて、「天才」と嘘を教えました。そしたら、試合中に「天才」と言われて、逆にテンションが上がりましたね。
−やはりサポーターの違いはあった。
永井:サポーターの数は日本と同じ、1000人から2000人ぐらい。でも圧力が違いました。日本のサポーターは座って試合を見ていますが、むこうはみんな立って見ていて、本当にコロシアムみたいな雰囲気でしたね。
−日本に帰ってきてFリーグへの貢献
永井:Fリーグやシュライカー大阪を知っている人はまだまだ少ないと思います。まずはそこを知ってもらうことがスタートだと思います。「今シュライカーを知っている?」と聞くと「セレッソやガンバじゃなくて?」という返事が多いのが現状です。「シュライカー?永井っていう選手いるよね」という返事にかわれば嬉しいですし、僕をきっかけにFリーグやシュライカーを知ってもらいたいです。それが競技の普及にもつながると思いますし、吉本興業さんにご協力をいただきながら、いろいろなイベントに出たいと思います。
−吉本興業とマネジメント契約を結んだきっかけとは?
永井:僕自身が以前から興味を持っていました。びわこ成蹊スポーツ大学の先輩である、FC大阪の近藤岳登選手が吉本と契約するときに間を持った人とたまたま会う機会があって、「岳さん吉本と契約したらしいですね」と話したら「お前も興味あるのか?」と尋ねられて、そこで紹介していただきました。
−いつ頃から話をしていた?
永井:イタリアに行く前ぐらいですね。そこから半年から1年かけて、どういう形にするのかを話をして、試行錯誤を繰り返していました。
−こんなイベントに出たいなどはございますか?
永井:僕自身しゃべることが好きで、今回は『月刊たむスポ』に出演させていただき、サッカーというグループのもとトークをさせていただきました。僕は他の競技も好きなので、今後はバレーボールや陸上などいろいろなアスリートとトークをしてみたいです。テレビやラジオももちろんのこと、今後はしゃべる仕事もどんどんしていきたいと考えています。
−夢や目標は?
永井:まずは2016年のコロンビアW杯に出場して、いい結果を出したいと思います。シュライカーの試合に一人でも多くのサポーターに足を運んでいただきたいので、優勝を目指して頑張りたいと思います。また弟(永井龍)がセレッソ大阪でプレーしているので、サッカーとフットサルと違いはありますが、お互いに代表に選出されて兄弟アスリートとして活躍したいです。