Quantcast
Channel: サッカーなう »コラム・特集
Viewing all articles
Browse latest Browse all 68

【インタビュー】「サッカーで世界を一本の線に」稲若健志

$
0
0

パルメイラス役員と稲若健志さん
写真:パルメイラス役員と稲若健志さん)

マラドーナに憧れて海を渡った稲若健志は、一発勝負の入団テストで4得点を記録しアルゼンチンでプロ契約を勝ち取った。その後は、日本とアルゼンチンで活躍し、栃木SC在籍時に27歳で株式会社ワカタケを設立。2009年後の引退後は、アルゼンチンへの日本人選手の留学斡旋業、スポーツクラブのクラブマネージャー、スポーツスクールの運営、スペイン語の通訳、選手のマネジメント業務をこなし、セカンドキャリアを築いている。近年ではアルゼンチンだけではなく、レアル・マドリードのファンデーションキャンプの通訳を務めるなど、スペインとの関係性も強め、中国、ドバイといったアジアや中東のサッカー新興国との親交も深めている。そんな稲若が目指しているのは、「世界を一本の線で繋ぐこと」という。アルゼンチンや選手時代の話しを交えながら、稲若の描くビジョンに迫った。

 

-高校卒業後すぐにアルゼンチンに渡ったということですが、アルゼンチンで選手として感じたのはどういった部分ですか?
稲若健志(以下、稲若):サッカーに対する目線が非常に肥えていると感じました。だから、ファンから受ける試合中のプレッシャーが全然違いましたね。プレー面では、マリーシアのレベル。1つ1つのプレーの駆け引きの上手さ、最初の1歩の予測のスピードが目につきました。球際が厳しいので、自然とケガも多くなります。帰国後日本のクラブでプレーしたんですが、練習の激しさの差には戸惑いました。普通にチャージしたつもりが、キャプテンを吹っ飛ばしてしまったこともありましたね。

 

-選手時代に会社を設立するというのは珍しいケースかと思いますが。
稲若:アルゼンチンで同じ時期にプロだった選手と一緒に、日本からアルゼンチンへの短期留学の斡旋事業からスタートしました。短期で募集を掛けたところ、予想以上に人数が集まって。選手時代のコネクションで、アルゼンチンからプロ選手を招聘し、
監督やスクールの指導をお願いしたりしました。今振り返ってみると、一歩踏み込んで行動できるか、できないかだけの差だけだと思っています。

 

-稲若さんが言う「世界を1本の線で繋ぐ」というのは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?
稲若:選手にとって大切なことは、自分にあったチームを選択するということです。言い換えれば『出場機会をもらえるチーム』に所属するということです。日本人は一般的にこの選択ができていないと思います。これは、欧州や南米の選手と比較すると、客観的に自分の実力を図れていない、プロ意識の差に開きがあるからと言えます。背景には、サッカーのテレビ報道の頻度の差や、代理人の数、移籍金の違い、貧富の差などが挙げられます。例えばメキシコは、ビジネスとしてのサッカー構造が上手く成り立っています。今後は日本もサッカーをビジネスとしてより捉えていく必要があると感じているので、南米や欧州の5大リーグだけでなく、アジア、東欧、アフリカ、中東などサッカービジネスで、世界を1つの線をとして結ぶことができればと考えています。

 

-実現には多くの協力者が必要となりそうですね。
稲若:今まで渡航費だけで1000万円以上は投資してきました。その甲斐あって、アルゼンチンとスペインの他、アジアや中東にも協力してくれる方と繋がることができました。残すはアフリカ大陸とオセアニア大陸とのみです。

 

-今後はどのような活動を考えているのですか?
稲若:世界を1つの線で結ぶ、という理念を突き詰めて活動していきたいです。将来的には、FIFAのもう少し密な組織を作り上げたいと思っています。理由としては、日本の子供達に正確な情報をより素早く手に入れ、提供することで、子供達がより世界に出やすい環境を作ってあげたいと考えているからです。個人的には、アジアのマラドーナ総代理人であり、北京サッカー協会会長である唐主席氏と協力して日本にマラドーナを連れてきたいと思っています。アルゼンチンという国のおかげで今の自分があるし、アルゼンチンに渡るキッカケとなったのはマラドーナの存在があったからなので。あとは教育に携わり続けることです。子供達が夢を持って挑戦できるような環境を作るのは、教育だと思っているので、子供達の夢を教育を通じてサポートできる存在でありたいですね。

 

経歴集:
チャカリタ・ジュニアーズ(アルゼンチン)⇒愛媛FC⇒CDリエストラ(アルゼンチン)⇒栃木SC⇒矢板SC
現:株式会社ワカタケ代表取締役
著書に『親子で学ぶアルゼンチンサッカースピリット』(随想舎)

十年後の君たちへ~輝かしい未来へのエール~(3月10日に随想舎より発売)

LINEs ENTERTAINMENT HP
http://lines-ent.com/
この内容の書き下ろしが「南米と日本をつなぐ者達」(ギャラクシーブックスより6月頃出版)に収録されます。

(文・栗田シメイ Twitter:@Simei0829

 

soccer junky 人気スマフォケース ¥3360(税込)

SAMURAI JAPAN ユニフォーム上下セットが¥8400(税込)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 68

Trending Articles